龍村光峯の錦織作品紹介

代表作一覧

代表作
国立京都迎賓館貴賓室、タペストリー「暈繝段文(一対)」

国立京都迎賓館貴賓室、タペストリー「暈繝段文(一対)」
国立京都迎賓館貴賓室、タペストリー「暈繝段文(一対)」

奈良時代、正倉院の宝物中に、玉彩の色糸を横段文に織り、小菱や小花を配した世に謂う繧繝錦がある。元来は、中国の唐代の表現様式で、染織ばかりでなく仏像や建築にも数多く用いられている。平安期から今日まで貴族の畳の縁などによく使われて、我々にも馴染みの深い繧繝配色である。「うんげん」という場合、「暈繝」と書く時には、太陽や月の周りの光の輪を表し、「繧繝」と書く時には、光を浴びて雲のたなびく様を徴す。

 神仏を飾る光背のように、、光を放つ尊い高貴なものの周囲を縁取るのに用いられ、虹彩に輝く暈を模して表そうとしたのが本来のモチーフではないだろうか。

 繝という字は、にしきのあやの事であるから、この暈繝(あるいは繧繝)段文は、神々しき霊峰の彼方から生じ、陽の生ずる様をこの漢字の原義に立ち返り、その配色に潜む本来の意味を顕現させようとした錦である。

 この度国立京都迎賓館に納めさせて頂いた本品は、左右対称一対のものであるが、現代の最高の職人達の手により、錦の地合に青金赤金などの本金箔や、本金糸をふんだんに使用し、36色の色糸を駆使し約3ヶ月を要して製作されたものである。

 

龍村光峯述

  • 前の質問へ 
  • 一覧に戻る
このページの先頭へ