龍村光峯の錦織作品紹介

代表作一覧

代表作
広島市西区区民文化センター「三滝幻想―水面の四季」

広島市西区区民文化センター「三滝幻想―水面の四季」
広島市西区区民文化センター「三滝幻想―水面の四季」

三滝の四季は、様々に表情を変えて、飽きることなく、小さな水面には森羅万象が映し出されます。春はおぼろに桜の薄色、秋は夕映えに紅葉の朱と折々の名残の色が浮かびます。

時々刻々と移り変わる光が綾なすシンフォニー。永遠の光へと誘われて、祈りをこめた水蓮のイメージ。今朱に燃えていた多宝塔の残影も幻のように浮かんで、水面は、想像の彼方へと果てしなく拡がっていきます。広島市は、今国際平和文化都市として、新しい町造りを緯糸とし、旧き歴史と文化の経糸と織り成さんと胎動し始めました。厳島神社や平家納経を生んだ類希なる感性の芽を再び育てようとする土壌作りが始まりました。今西区の地域住民の文化活動の中心施設として建設された本センターの趣意に相応しく、より高く、より深く文化の土壌を耕す為に、象徴として品位ある緞帳が求められます。時間の試練に耐えて、飽きることなく、あらゆる視線に応じて相貌を変え、目を疲れさせることなく、幕間にほっと安らぎを与えてくれる。そんな要件を満たしつつ、地域に深く根ざしたテーマ性を持った緞帳が。

 伝統的な日本画の表現に即しつつ、三滝の四季の彩をメロディとして、「永遠なるものへ」と夢を馳せたこの緞帳は、旧来の緞帳のイメージを破り超えて製作されました。「京の錦を広島の皆様にお届けしたい」という誇り高き綴織職人の熱い心をこめた作品であります。

 本緞帳は、区民センターとしては、全国でも例外的に巨大なもので、その大きさは、幅21.4m×高さ9.8mであります。延べ製作日数6ヶ月、延べ製作人数500人、総糸使用量840kg、総使用色数400余色、総使用金糸量100kg、総重量1t。特に従来の緞帳には、ほとんど使用されたことのない高価で繊細な金糸が、そこはかとなき光を求めて隠し味として大量に使用されております。

 

龍村光峯述

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